+ 岐阜県 大垣市 空間建築工房 Kuhcan 古民家 リノベーション +

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築72年の古民家「ほどよい距離で暮らす家」
 

家主が所有の山から伐り出した木によって、伝統工法で建てられた住宅をリノベーションしました。
竣工は昭和21年、第二次世界大戦後1年目です。日本ではそのあとGHQの指導により現行の「建築基準法」が制定され、日本の伝統工法はどんどん少なくなっていきました。この住宅は焦土と化した街の中、復興第一号群の一軒として建てられました。

リビングダイニング
左が51年前の増築側、右が築72年の和室部分です。
畳の下の根太がシロアリ被害。束(縦の短い丸太)も土にそのまま乗っかっています。
これでは、湿気を含んだ土の水分が伝わることでも木が傷んでしまいます。

 

畳の下の根太がシロアリ被害。束(縦の短い丸太)も土にそのまま乗っかっています。これでは、湿気を含んだ土の水分が伝わることでも木が傷んでしまいます。

 

和室床を撤去したところ。土が湿っているので心配です。川が近いので、地面の保水が激しいと予想されます。
ほかの工事をしながら、1か月かけて一旦乾かしました。
束石代わりのモルタルを入れるため土を掘っているところ。 束を支えるためのモルタルを地面に詰めます。

 

寝室を南に臨む
伝統的な欄間(らんま)模様 
以前はご先祖様の遺影や絵画などがびっしりとかけられていましたが、せっかくだから欄間を見せたいです。ご位牌は別の角度にかけていただくことにし、また、お施主様もご存じないご位牌は供養の上、お焚き上げをしました。

 

寝室
50代のご夫婦の寝室です。昔は和室だったので、建具4枚で隣りの部屋とつながっています。今回は、耐震補強のご要望もありましたが、伝統耐震診断結果と意匠性と兼ね合わせてオープンな開口部を残しました。(平屋だったからできることでもあります。)耐震補強は家の外周に施しました。

 

欄間を照らす間接照明
欄間のの付け鴨居にLEDを埋めた薄い木をさらに取り付けてまで、間接的にてらしてみました。行燈のない代わりのぼんやりした照明が寝室にあってもいいと思ったからです。
竹の欄間の塗り壁は黄聚楽(じゅらく)がもろくなっていたので、天然珪藻土に塗り替えました。
BEFORE 物置部屋になっていた部屋です。
AFTER 竹の欄間と北の坪庭

 

仏間から南の庭を望む
仏間は、家の中の一番「ハレの間」です。お客様をお迎えする部屋でもあるのでいいように庭がつくられています。
 

 

仏間の手前の和応接室は、大阪格子。
こういう戸のデザインを「大阪格子」と呼びます。人(や着物の帯)が座った時こすれて痛むと不経済だからか、下方が格子でなく板戸になっていて、裏が横長長方形の格子になっているものをこう呼びます。

 

 

大阪格子をあけると住人のリビングがある
中央に見える柱から奥は、45年前の増築部分です。昔もおくどさん(台所)だったはずで、いったん改築されお風呂と洗面所になっていたところをまたキッチンとして繋げました。

 

玄関
昔の玄関は土間だったので、とても広いのです。ただ、玄関の上りは14cmと抑え、将来のスロープ化も見込んで、ゆっくりとした段差に仕上げました。

 

玄関を振り返る
バリアフリーでないせいで、玄関入ったところ(写真右)に小縁(こえん)があります。座るとちょうどいい高さです。情緒があるので、ここはそのまま残しました。色も付けずにおいてみました。色を塗ればきれいになるのは分かっているのですが、歴史を塗りこめてしまう気がして、やめました。昔の面影を残すのが好きです。西洋ではアンティークといい、日本ではわびと言います。
千本格子の窓
なぜ玄関のここにこの千本格子の窓がついているか、わかりかねるのですが、当初は花を置いたりお迎えのための室礼(しつらい)のための壁だったのではないかと思います。
 今はリビングと廊下をつなぐ格子窓となってしまい、寒かったらガラスを入れようといいましたが、床暖房のおかげで隙間風を感じることもなく、無粋にならずに済んでいます。

 

 
キッチンからダイニングと和応接室を見たところ
AFTER きれいにしたうえ、広くしました。

BEFORE 旧リビング
「湿気がすごいんです…」といわれながら撮った一枚。
窓からはこんな風に北庭が見えます。 坪庭も、昔は草がおい茂っていましたので、枯山水風にリノベーションしました。元あった木は間引いたり増やしたりして、樹種も現代風に変えてあります。

 


解体中。左に写っている木の窓は、部屋の戸に再利用しました。

古民家と増築の切り替え部分
古民家…天井が板、増築部分…天井が白い。


6畳部分をいったん、ここまで何もなくなるまで壊しました。

 

母屋を2回増築したため、2回目と3回目の屋根の谷になってしまった梁。雨漏りで腐り、
老朽化しています。この梁をどう取り、同屋根をかけなおすか苦労しました。
↑click 拡大表示(PDF)

 

古い家具を活かした廊下
「この家具、もう古いから捨てたほうがいい?」と言われた家具です。もったいないので廊下にくぼみを作り、置きました。いい調度品です。

昔は打ち捨てられたように置かれていたタンス。側面には70年前の職人の名前と弐拾九萬五千円也 とあります。

 


再生した建具。元は北縁側の外窓だった。

元あった北縁側の木製建具。


高さを足すついでに、ダンパーレールを採用。閉まるとき半開きでも自動で閉じます。

 


建具自体のゆがみがあるので、下も木を足す必要があります。

 


折れて取れていた桟を加えています。


和室の障子には、仰々しいのでダンパーレールは使用せず、ただ、足します

 


左右で足す大きさが違います。

扉も、いったん解体してサイズをカットしたり、ゆがみを削ったりして再利用しました。
これは、削ったところだけ原木が見えて白くなっているところ。そのうち色も馴染むのでそのままにしてあります。

 

トイレは暗いと汚く感じるので、明るくしました。床も防汚の新建材(簡単にいうとビニール)。断熱のための二重窓も、茶色くできるのにわざわざ白色。そのほうがお手入れが良いと思います。旅館ならともかく、家のトイレなら清潔さ優先が良いと思います。
でも、ドアとして使っているのは、北の坪庭に面していた木の建具。素敵なデザインなので、再利用です。ガラスは見えないアクリルに変えて、上下に接ぎ木をして高さを合わせ、ダンパーレール(勝手に閉じる)を取り付け、バリアフリーにしてあります。



廊下の茶箪笥と相まって、装飾的に見える廊下。

南の縁側
南の縁側は、どのお家でも物置になりがち。再生したのできれいになりました。
さらに、南西角のあたりにシロアリ被害が多いです。このお宅もご多分に漏れず、床の間の左縁側・この部分だけが白アリに。温かい場所だからかと想像します。

 

屋根裏 
(写真は耐震センサを置いて、耐震再調査をしている風景。)
 屋根裏って憧れですよね。でも、屋根裏は「太陽から浴びた熱を天井板から下に伝えない」空気層の役割も担っています。
今回は、このように広くて高さのある小屋裏があったので、使うか使わないか、最後まで悩みました。結果、「2人で住むのだから、自分たちの荷物は置かず、せいぜい先祖の大事なものだけ、行李2つだけを置いておく部屋」にしました。
とはいえ人が入れるように、畳一枚分の大きさで開口を作りました。

 

もともとの天井板は隙間だらけでしたので、いったんはがして張り替えました。 増築部分と廊下でつないだので、仕上げが途中から変わっています。




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